中国語で「コーヒーを1杯」「切符を2枚」と言うとき、名詞の前に「杯・張」などの量詞を置きます。
日本語にも「人・本・枚・匹」のような助数詞がありますが、中国語では身近な名詞にもそれぞれ決まった量詞があり、数字と名詞をそのまま並べることは基本的にできません。
最初からすべて暗記する必要はありません。旅行なら、飲み物の「杯」、料理の「份」、切符の「張」など、使う場面ごとに覚えると実践しやすくなります。
この記事では、中国語の量詞の基本語順、よく使う量詞一覧、「二と兩」「幾と多少」の違い、発音のポイントを繁体字と例文付きで解説します。
中国語の量詞とは?
量詞(liàngcí)は、人や物、動作の回数を数えるときに使う言葉です。
基本語順:数字+量詞+名詞
- 一個人:1人
- 兩杯咖啡:コーヒー2杯
- 三張票:切符3枚
- 四本書:本4冊
「一咖啡」「三票」のように、数字と名詞を直接つなげないのが基本です。何を数えるかによって、間に入る量詞を選びます。
台湾師範大学國語教學中心の教材でも、量詞は中国語の基本的な品詞の一つとして「個・張・杯・次・頓・公尺」などが例示されています。
まず覚えたい基本の量詞一覧
量詞 | ピンイン | 主に数えるもの | 例 |
|---|---|---|---|
個 | gè | 人・物・抽象的なもの全般 | 一個人、一個問題 |
位 | wèi | 人を丁寧に数える | 一位老師 |
本 | běn | 本・雑誌・冊子 | 兩本書 |
張 | zhāng | 紙・切符・平たい物・家具 | 三張票、一張桌子 |
杯 | bēi | カップやグラス入りの飲み物 | 一杯茶 |
碗 | wǎn | お椀・どんぶり入りの料理 | 一碗牛肉麵 |
份 | fèn | 一人前・一部・一セット | 兩份早餐 |
件 | jiàn | 服・荷物・物事 | 一件衣服、一件事 |
條 | tiáo | 細長い物・道・ズボン・魚 | 一條路、兩條褲子 |
隻 | zhī | 動物・手足・対になる物の片方 | 一隻狗、一隻手 |
台 | tái | 機械・電化製品 | 一台電腦 |
輛 | liàng | 車両 | 一輛車 |
家 | jiā | 店・会社・施設 | 一家餐廳 |
間 | jiān | 部屋・店などの空間 | 一間房間 |
種 | zhǒng | 種類 | 三種口味 |
次 | cì | 動作の回数 | 去過兩次 |
「個」は何に使える?
個(gè)は最も広く使える量詞で、人、一般的な物、時間、抽象的な事柄などを数えられます。
- 一個人:1人
- 兩個行李箱:スーツケース2個
- 三個問題:質問3つ
- 四個小時:4時間
台湾教育部の辞典でも、個は「個別の人や物を数える単位」と説明されています。
適切な量詞を忘れたときに個を使えば、意味が通じる場合は多くあります。ただし、飲み物を「一個咖啡」、本を「一個書」と言うと不自然です。よく使う名詞は専用の量詞と一緒に覚えましょう。
人を数える量詞|個・位・名
量詞 | 使い方 | 例 |
|---|---|---|
個 | 一般的に人を数える | 三個人 |
位 | 敬意を込めて人を数える | 一位客人、兩位老師 |
名 | 書面・案内などで人数を数える | 一名學生 |
レストランで人数を尋ねられたら、「兩位(2名です)」のように位だけで答えられます。「兩個人」でも意味は通じますが、接客場面では位がよく使われます。
飲食店で使う量詞|杯・碗・份・盤・瓶
量詞 | 数えるもの | 注文例 |
|---|---|---|
杯 | コーヒー・お茶・ジュース | 一杯拿鐵 |
碗 | 麺・ご飯・スープ | 兩碗牛肉麵 |
份 | 料理一人前・セット | 一份蛋餅 |
盤 | 皿に盛られた料理 | 一盤炒飯 |
瓶 | 瓶やボトル入りの飲み物 | 三瓶水 |
壺 | ポット入りのお茶 | 一壺茶 |
片 | 薄く切った物 | 兩片吐司 |
顆 | 丸い小さな物・粒 | 一顆蛋 |
同じ飲み物でも、容器が変われば量詞も変わります。「一杯水」はコップ1杯の水、「一瓶水」はボトル1本の水です。
國家教育研究院の基礎詞彙でも、杯は「一杯咖啡・一杯酒・一杯茶」のように使う量詞として掲載されています。
実際の注文方法は、台湾のドリンクスタンド注文ガイドも参考にしてください。
買い物で使う量詞|件・條・雙・頂・枝
量詞 | 数えるもの | 例 |
|---|---|---|
件 | シャツ・上着・衣類 | 一件外套 |
條 | ズボン・スカート・ベルト | 兩條褲子 |
雙 | 靴・靴下・手袋など一対 | 一雙鞋 |
頂 | 帽子 | 一頂帽子 |
枝 | ペンなど細長い物 | 三枝筆 |
支 | スマートフォンなど | 一支手機 |
台湾では、ペンを「一枝筆」、スマートフォンを「一支手機」のように数える表現をよく見かけます。
サイズや試着の表現と一緒に使いたい場合は、台湾での買い物中国語で確認できます。
紙・切符・家具に使う「張」
張(zhāng)は、紙のように平たい物や、平面を持つ家具などを数えます。
- 一張紙:紙1枚
- 兩張票:切符2枚
- 三張照片:写真3枚
- 一張桌子:机1台
- 兩張椅子:椅子2脚
- 一張床:ベッド1台
日本語では「枚・台・脚」と数え方が分かれますが、中国語では形の共通点から同じ張を使います。
本・機械・乗り物に使う量詞
量詞 | 数えるもの | 例 |
|---|---|---|
本 | 本・雑誌・冊子 | 一本書、兩本雜誌 |
部 | 映画・作品・機器 | 一部電影 |
台 | パソコン・テレビ・機械 | 一台電腦 |
輛 | 自動車などの車両 | 一輛汽車 |
班 | 飛行機・電車・バスの便 | 下一班車 |
艘 | 船 | 一艘船 |
乗り物そのものを数える量詞と、交通機関の便を数える量詞は異なります。「一輛公車」はバス車両1台、「一班公車」はバスの1便です。
店・部屋・場所に使う「家・間」
- 一家餐廳:レストラン1軒
- 兩家便利商店:コンビニ2軒
- 一間房間:部屋1室
- 三間教室:教室3室
家は店や会社などの組織・施設を数え、間は区切られた空間を数えるのが基本です。店は「一家店」とも「一間店」とも言えますが、前者は店舗・事業、後者は空間としての店に焦点があります。
動作の回数を数える量詞|次・趟・遍・頓
量詞 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
次 | 一般的な回数 | 去過三次 |
趟 | 往復や移動を伴う回数 | 去一趟台南 |
遍 | 最初から最後まで行う回数 | 再說一遍 |
頓 | 食事・叱責などの回数 | 吃一頓飯 |
「再說一次」はもう一度言う、「再說一遍」は内容を最初から最後まで通してもう一度言う、という違いがあります。
量詞を使う4つの基本語順
数字+量詞+名詞
我買了三本書。
Wǒ mǎi le sān běn shū.
私は本を3冊買いました。
這/那+量詞+名詞
我要那杯咖啡。
Wǒ yào nà bēi kāfēi.
私はあのコーヒーが欲しいです。
「這個・那個」のように、指示語の後ろにも量詞を置きます。会話では名詞が分かっていれば「我要這個」のように名詞を省略できます。
幾+量詞+名詞
你要幾張票?
Nǐ yào jǐ zhāng piào?
切符は何枚必要ですか?
每+量詞+名詞
每個人都要買票。
Měi ge rén dōu yào mǎi piào.
一人ひとり切符を買う必要があります。
「二」と「兩」はどう使い分ける?
量詞の前で「2」を表すときは、基本的に兩(liǎng)を使います。
- 兩個人:2人
- 兩杯茶:お茶2杯
- 兩張票:切符2枚
- 兩本書:本2冊
二(èr)は、数字を順番に読むとき、番号、階数、日付、序数などで使います。
- 二號:2番
- 二樓:2階
- 第二個:2番目
- 二月二日:2月2日
数字そのものの読み方は、台湾華語の数字の数え方で詳しく紹介しています。
「幾」と「多少」の違い
幾(jǐ)は比較的少ない数を想定して「いくつ」と尋ねるときに使い、後ろに量詞を置きます。
- 幾個人?:何人ですか?
- 幾杯?:何杯ですか?
- 幾張票?:切符は何枚ですか?
多少(duōshao)は、数の範囲を限定せずに「どのくらい・いくつ」と尋ねます。量詞を入れる形と、省略する形があります。
- 多少錢?:いくらですか?
- 有多少人?:何人いますか?
- 要多少杯?:何杯必要ですか?
旅行中は、人数や注文数を尋ねる「幾位・幾杯・幾張」と、値段を尋ねる「多少錢」を先に覚えると便利です。
「一」の声調変化
「一」の基本は第1声のyīですが、後ろの声調によって発音が変わります。
- 第4声の前では第2声:一個 yí ge、一件 yí jiàn
- 第1・2・3声の前では第4声:一杯 yì bēi、一年 yì nián、一本 yì běn
- 番号や順番では基本の第1声:第一 dì-yī
文字はすべて「一」のままです。量詞とセットで音読すると、会話で自然な声調を身につけやすくなります。
量詞でよくある間違い
すべて「個」で数える
△ 一個咖啡
○ 一杯咖啡
意味が推測できても、よく使う物には適切な量詞があります。注文では容器や一人前を意識しましょう。
量詞の前で「二」を使う
△ 二個人
○ 兩個人
一般的な数量の「2+量詞」では兩を使います。番号や順番なら二です。
指示語と名詞を直接つなぐ
× 這書
○ 這本書
「この本」のように指し示す場合も、這と名詞の間に量詞を置きます。
名詞だけを暗記する
「咖啡」だけでなく「一杯咖啡」、「票」だけでなく「一張票」のように、数字・量詞・名詞を一つのまとまりとして覚えましょう。
量詞を会話で練習しよう
身の回りの物を見て、「這是一本書」「桌上有兩杯咖啡」のように声に出して数えると定着します。
まなび台湾の場面別レッスンやロールプレイでは、飲食店で注文数を伝えたり、駅で切符の枚数を指定したりする具体的な状況に沿って練習できます。
基本の量詞を身につけた後は、AI台湾人とのフリートークで、部屋にある物、買った物、食べた料理などを自由に説明し、量詞を自分の文の中で使う練習にも挑戦できます。
まとめ
中国語で人や物を数えるときは、「数字+量詞+名詞」の順に並べます。
- 人:個・位
- 飲み物:杯・瓶
- 料理:碗・份・盤
- 紙・切符・家具:張
- 本:本
- 服:件・條
- 動物:隻
- 店・部屋:家・間
まずは旅行で使う「兩位・一杯・一份・兩張」を優先し、名詞とセットで覚えましょう。専用の量詞が分からないときは個で通じる場合もありますが、頻出の組み合わせから少しずつ増やすと自然な中国語になります。
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